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天平冥所図会

07/11/20 (火) 15:50 [ 日本人作家(や-わ行) ]

天平冥所図会

山之口洋「天平冥所図会」文藝春秋
満足度:★★★★★

平城京を舞台に葛木戸主と和気広虫夫妻が権力と戦う歴史ファンタジー。

政治的な話が中心なため重くなりがちなところをファンタジー仕立てにしてあり、装画もほのぼのした絵でとっつきやすく、謎解き要素もあって楽しめました。全体的な流れを見ると、藤原仲麻呂盛衰記ですね。幽霊と神様と吉備真備の長女についてのトンデモ設定を除けば、純粋な歴史小説と言えそうです。ファンタジー部分では、葛木家の氏神・一言主命がいい味出してます。関西弁で飄々としてるのが可笑しい。民事不介入って~(笑)
4話中、聖武天皇の冥福祈願のため東大寺に献納する品々の鑑定とリスト作成にまつわる「正倉院」が特に面白かったです。鑑定作業そのものは興味深いけど、そこには様々な思惑が絡んでいるから厄介。この機会を利用して権力を手にしようとする者、政敵を追い落とそうとする企む者、上からの命令に翻弄される下級役人の苦労。そんな状況での戸主の言葉に痺れました。この台詞を言い放った相手が相手だけに、めちゃめちゃ爽快。

「味方だと? 敵だと? そんなもんはどっちでもいい。おれの仕事を邪魔するやつは、誰であろうとおれの敵だ!」(P.173)

先月読んだ「サラシナ」と時代が近いため、登場人物がかなり重なっていました。奈良時代は結構好きなんですが、平安時代や戦国時代に比べると地味なのか、小説の舞台になることが少なくて寂しかったんです。奈良時代を舞台にした作品がもっと増えるといいのになぁ。

Posted by sa-ki : コメント (2) | トラックバック (1)

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「天平冥所図会」山之口洋
 From : Ciel Bleu [08/01/12 19:47]
 Excerpt :  [amazon] 天平18年秋8月。備前国から平城京に庸調を納めに行く一行の中...


コメント

sa-kiっち、こんにちは! 読みましたよ~。
いやあ、山之口洋さんらしいというか何というか(笑)
楽しかったです。
吉備真備の長女についてのトンデモ設定には、ほんとびっくり!
でね、うちの方の記事にも書いたんですが、高橋克彦さんの
「風の陣」に、思いっきり重なっていてびっくりしたんです。
思いっきり重なってるし、でも雰囲気は正反対だし。(笑)
ほんと、装画もほのぼのと可愛くて、入りやすかったですね。

あ、うんうん、「正倉院」が面白かったですね。
実は最初の話を読んだ時に、ちょっぴり不安だったんですが
この「正倉院」で不安もふっとびました。
良い本を教えて下さってありがとうございました~♪

Posted by 四季 [08/01/12 19:54]

>四季っち
わぁ、読まれましたかー。
真備の娘・由利の出生について上手いこと辻褄合わせたなと思ったら、
さらに長女がいて、しかもああくるとは!
いや、そんなぶっとび具合も好きなんですが(笑)
ああ、「風の陣」もちょうどあの時代なんですね。
重なってるのに、雰囲気は正反対!?
ギャップが楽しめそうだから、
この本の雰囲気を忘れないうちに「風の陣」も読まなくちゃ。
装画の可愛らしさにはやられました。
実は表紙買いしちゃったんです。

「正倉院」は良かったですね。
楽しめる要素がいっぱいあったけど、
何より畷が可愛かったなぁ♪
いいえ~、楽しめていただけたようで、私も嬉しいです(^^)

Posted by sa-ki [08/01/12 23:55]

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