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顔 FACE

05/04/30 (土) 18:00 [ 日本人作家(や-わ行) ]

顔

横山秀夫「顔 FACE」徳間文庫
評価:★★★★

D県警の似顔絵婦警・平野瑞穂が、男社会に傷つきながらも、職務に誇りを持って事件の真相に迫る様子を描いた連作短編集。

「黒い線」(「陰の季節」所収)の続編です。一年経ってもまだ例の一件が尾を引いていて、「描く」ことに不安を感じていた瑞穂は、事件を通して描きたい思いが膨らんでいき、自分が一番やりたいことを見つけます。単なる警察小説ではなく、瑞穂が人として、警察官として成長していく物語でもあるのです。
絵を描くための観察力が謎を解明する洞察力となっているので、瑞穂は名探偵の素質充分。それだけではなく、彼女にはシャーマン的なものも感じます。描かれた人間の表情から伺える人柄や目撃者の心情まで分かってしまうなんて、まるで彼らが瑞穂に乗り移っているかのよう。描く行為が崇高な儀式とさえ思えてきます。
女性が主人公の警察小説において、男社会に生きる主人公の葛藤は避けては通れない問題。そのため、女性作家が描く女刑事(音道貴子や村上緑子など)は、やはり男に負けたくない!という意地が前面に出てるようで、結果、強さばかり印象に残ります。一方瑞穂は、繊細さの奥に秘めた芯の強さは窺えるものの、男と張り合おうとする気迫まではなさそう。女性がありたい姿と男性が女性に望む姿との違いでしょうか。
一つ気になったのは、約1年の間に、秘書課広報公聴係→犯罪被害者支援対策室電話相談員→捜査一課強行犯捜査係→○○とめまぐるしく異動になっているんですよねぇ。警察の人事についてはよく知りませんが、それでも配転が多過ぎやしませんか?
一般的な警察小説よりも雰囲気が柔らかく、警察小説が苦手な方にも読みやすい作品だと思います。

顔 DVD-BOX本書はドラマ化もされています。ストーリーはかなりアレンジされてるし、原作にない役のほうが目立ってるー(笑) オダギリジョー、海東健はカッコイイ(>▽<)きゃー♪ でも女優さんたちが気の毒。もっと綺麗に撮ってあげたらよかったのに。七尾さんの扱い(キャスト、役割など)はヒジョーに不満。

タグ : ミステリ

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